
単におもしろい心理・頭脳バトルゲームというだけでなく(それだけでもいいのに)コンセプトが一貫してるのがめっちゃ面白い。「個人の利益を優先すると、全体で獲得できる最大利益が下がる」という囚人のジレンマ的なパラドックスを再現することを、全部のゲームでめちゃくちゃ遵守している…。単に頭脳心理バトルという以上に、哲学を孕んだゲームルールになってるからすごく面白いんだと思った。ナオちゃんのキャラクターが命題とがちがちに噛み合っている。
全員が協力したとき、最大多数の幸福が訪れるんだけど、一人でも抜け駆けした瞬間破綻するし、個人で見たら裏切りの方が利益が多いから、現実的にはほとんど不可能で…。これを成し遂げるには、全プレイヤーが、この集団を仲間というか「1人」としてカウントする意識が必要になるんだよね。「私」の範囲をプレイヤー全体に拡大する必要がある。なんというか、この感覚がすごく哲学だと思う。
あと全員が個人の利益を最大限追求した動きをする場合は盤面が読みやすくて、そうでない人が混ざっていたときに混沌になるのも面白い。
テーマがそれだからか、こういうデスゲーム系では珍しいくらい個人の機転のみでクリアできるものがなく、ほとんど要・根回しというか、人間関係ありきなのが独特だとも思った。イス取りゲームが一番好きかも!畳む





「天宇、死なないで」の言い回しの幼さに切実さがこもっている感じがしてたまらない。翻訳の具合だとしたら天才すぎる。気持ちが余ってるよーこれハマってる状態なのか…。
山下達郎の僕の中の少年という曲が大好きなんだけど、サブスクにもYouTubeにもないため紹介できず、無念。畳む

↓ネタバレ込みのお喋り。
阿翔の全ての行動表情仕草があまりに健気で😭「遺影は長く残る」とか「地獄で喧嘩をふっかけられたら」とか、死ぬための旅っていうテイを守りながら、なんとか元気づけよう生きさせようとしてるの胸がギウ…てなる。天宇先生、阿翔をシャワー室に戻す手の力は異常に力強いのに髪を拭いてあげるのは異常に下手でほんまにかわいい。天宇先生って微妙に変で可愛い。
最後、電車のシーンで終わりじゃなくて海でお話してるシーン入れてくれたの、これから2人の関係は続いていくよってメッセージな気がして嬉しい。
そういえば私は不思議と、阿翔と潤發を別の人間だとあまり思っていない気がする…なんでだろう。自分でもわからない。幹や根は繋がっているから、その先に繋がるどの枝もどの葉もその木であることには間違いない…というイメージなのか。とはいえ、「あの夏の阿翔」を想うとセンチメンタルな気持ちになる。
その人を構成する要素として記憶や経験(特に生育歴)ってすごく大きい。経験が人格を作ると思う。でも、例えば親しい誰かが私と過ごした時間を全て忘れて二度と思い出さないとなったとき、心から淋しいけど、別の人間になってしまったとは判断しない気がする。となると、経験や記憶はその人を構成する全てとは言いきれないようにも思う。
その人を定義する全ての条件を抜きに、単にその命を愛することもできるのかもしれない。そんなことができたらロマンチック。畳む
⭐️追記⭐️
最近追記にハマってる。