🌷庭戸のキャンプ地🌷

創作や生活など、全部のことを喋るよ。

楳図かずおの「洞」っていう短編がすごく好き。
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芥川龍之介の「藪の中」みたいな何パターンもの真相が考えられるラスト。
いくつもの真相が重なっていて、作中ではそのうちのどれが取り出されるかは明示されてない。そういうクソでか余白のあるお話っていいよね…思考実験のような、SFのような哲学のような量子力学のような…

長いので畳み 楳図漫画大好きの人

同じ短編集に収録されてる「ねじれた空間」も本当に好き。読んだのは子どもの頃だけど、不思議に救われた感覚があった。楳図の漫画はいつも主観のパワーの果てしなさに眩暈がする。登場人物の主観が紙面をはみ出して現実を触り始める。
必要なのは辻褄ではなく「感情が本物かどうか」なんだと思った。楳図漫画は感情が本物すぎるから、どんなに荒唐無稽な話でも震えるような没入感がある。
夢の中と同じ。どんなにむちゃくちゃな展開でも、夢の中では感情だけは本当。

「ねじれた空間」のオチはめちゃくちゃファンタジーなんだけど、これが単なる脈絡ナシご都合ファンタジーではなくて、人間の脳が生み出した、もう一つの確かな現実なんだろうと思わせる不思議な説得力。私たちが生きるのは、オープンな共有された現実ではなくて、クローズな主観の中なんじゃないかと。閉じた主観の中をそれぞれが個別に生きている。その主観が、現実にはみ出す稀な瞬間が描かれた短編。
楳図かずおは長編だと「わたしは真悟」が1番好きなんだけど、短編があり得ないくらい面白くて好き。畳む
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