突然のミステリが読みたいと言う衝動が抑えきれず読んだ。こんなときのために買っておいた夕木春央の『十戒』🌋面白かった‼️そしてずっと怖かった。ミステリにおけるクローズドサークルの恐ろしさの真骨頂を浴びさせられた。生命の危機に対する恐怖ではなくて、「わからない」ということへの圧倒的な不気味さ。事件の真相以上に、シチュエーションの不気味さに感銘を受けた。以下ネタバレ込み感想↓続きを読む方舟のときも思ったけど、 1番不気味なのって「何故?」なのかも。誰がじゃなくてどうやってでもなく、何故?何故がわからないのが1番怖い。別の物理法則の宇宙にいるような、昆虫に意思疎通を試みてるような無力さ…。何故の強度が強ければ強いほど自動的に読み進めてしまう。犯人の指示を遂行するときの緊張感ほんとに冷や汗が出る。特に総仕上げの、部屋に閉じ込もって順番に…のとこ。犯人にノックされるの怖すぎるよ。イエス・ノーを犯人に問う方法もそうなんだけど、なんだろう。犯人と白昼堂々コンタクトをとれる仕組みが怖すぎる。クローズドサークルの怖さって、「この中に確実に犯人がいて、生存者が減るほど閉鎖空間内の犯人の濃度は高まっていき、犯人の可能性が高まり続ける隣人と過ごさなければならない」ところにあると思うだけど、『十戒』は匿名性を保ったままにリアルタイムで犯人と意思疎通できる機会が多すぎて、この怖さが如実にあらわれてるというか、クローズドサークルの醍醐味を濃縮でお届けされている気分になった。マジで革新的に良い。誰が犯人なのか、完全に雰囲気のみのメタ読みで感じてたんだけど、だからといって何一つ安心できなくて、ずっと緊張していた。逆にエンディングで主人公が最初から知ってたと知って安心してしまった。最後に絶望するエンドじゃなくてよかった。彼女に「全てを委ねる」「判断を任せる」的な表現がとても多かったので、その盲信がバッドエンドに繋がるのではと思ってたらそうではなかった。この違和感はそういうことだったのか…。2週目読むのが楽しみすぎる。畳む favorite ♡ありがとうございます! 感想 2025/11/08(Sat) 23:40:40
面白かった‼️そしてずっと怖かった。ミステリにおけるクローズドサークルの恐ろしさの真骨頂を浴びさせられた。生命の危機に対する恐怖ではなくて、「わからない」ということへの圧倒的な不気味さ。事件の真相以上に、シチュエーションの不気味さに感銘を受けた。
以下ネタバレ込み感想↓
方舟のときも思ったけど、 1番不気味なのって「何故?」なのかも。誰がじゃなくてどうやってでもなく、何故?何故がわからないのが1番怖い。別の物理法則の宇宙にいるような、昆虫に意思疎通を試みてるような無力さ…。何故の強度が強ければ強いほど自動的に読み進めてしまう。
犯人の指示を遂行するときの緊張感ほんとに冷や汗が出る。特に総仕上げの、部屋に閉じ込もって順番に…のとこ。犯人にノックされるの怖すぎるよ。イエス・ノーを犯人に問う方法もそうなんだけど、なんだろう。犯人と白昼堂々コンタクトをとれる仕組みが怖すぎる。
クローズドサークルの怖さって、「この中に確実に犯人がいて、生存者が減るほど閉鎖空間内の犯人の濃度は高まっていき、犯人の可能性が高まり続ける隣人と過ごさなければならない」ところにあると思うだけど、『十戒』は匿名性を保ったままにリアルタイムで犯人と意思疎通できる機会が多すぎて、この怖さが如実にあらわれてるというか、クローズドサークルの醍醐味を濃縮でお届けされている気分になった。マジで革新的に良い。
誰が犯人なのか、完全に雰囲気のみのメタ読みで感じてたんだけど、だからといって何一つ安心できなくて、ずっと緊張していた。逆にエンディングで主人公が最初から知ってたと知って安心してしまった。最後に絶望するエンドじゃなくてよかった。彼女に「全てを委ねる」「判断を任せる」的な表現がとても多かったので、その盲信がバッドエンドに繋がるのではと思ってたらそうではなかった。この違和感はそういうことだったのか…。2週目読むのが楽しみすぎる。畳む